7月25日の各ニュースにて、俳優のルトガー・ハウアー氏が今月の19日に亡くなられていたと報じられました。
自分が子供の頃に観た俳優さんの中で敵役としてダントツにカッコいい!!と思って強く印象に残っている〝男が惚れるオトコ〟(アニキー!!)でした。
自分がまともに観たのは1980年代の作品ばかりですが、ルトガー・ハウアーの魅力溢れる姿が観られる作品を振り返って彼に哀悼の意を示したいと思います。
氏の代表作と言えばやはりこの作品。
〝ブレードランナー〟(1982年)
酸性雨が降りしきる近未来の世界を舞台にレプリカント(人造人間)を追う刑事役にハリソン・フォード、追われるレプリカント達のリーダー役をルトガー・ハウアーが演じました。
氏の持つこの無機質な冷たい雰囲気、まさにレプリカント!
しかし時にこんな表情も
一緒に行動していたレプリカントの仲間たちは次々と処分されていきます‥‥
そもそも人間の都合で生み出された彼らレプリカント、彼らには4年という短い命しかありません。
そんな彼らも生きて行動していくうちに様々な感情が芽生えてくるのです。
最後の場面、自分を追ってきたデッカード刑事(ハリソン・フォード)が建物から落ちかけるのですが、チャンスとばかりに突き落とすこともなくデッカードに自分たちの想いを語り掛けます。
‥‥そして酸性雨に打たれながら動かなくなってゆくのです。
何とも物悲しい終わり方でした‥‥
この作品でハウアー氏の俳優としてのイメージが決まったように思えます。
〝レディーホーク〟(1985年)
中世ヨーロッパ風のファンタジー映画。
恋人同士であった黒騎士ナバール(ハウアー)と美女イザボー。
その地を支配する大司教がイザボーに横恋慕し失恋、その腹いせに日の出が来るとイザボーが鷹に、日没が来るとナバールが黒いオオカミになってしまう呪いをかけたという何ともヒドイ話‥‥
まあ最終的に大司教を倒しハッピーエンドっていう映画です。
とりあえずハウアー氏はいつも通りカッコいいのです。
う~ん、シブい。
この作品では悪役じゃありませんでした。
そして個人的に一番のお気に入り、イチオシの作品がコレ!!
〝ヒッチャー〟(1986年)
この画像、VHSのビデオのパッケージなんですが、この作品のハウアーが演じる殺人鬼があまりにもステキ過ぎて、ビデオの中古販売の棚で見つけた時に思わず買ってしまいました。
今もまだ手元に持っています。
車での長距離輸送の仕事をしている青年〝ジム〟が乗せたヒッチハイカー、それこそがハウアー演じる殺人鬼〝ジョン・ライダー〟だった。
車に乗るやいなや懐からナイフを取り出してもてあそび、ジムを脅しにかかるジョン。
隙をみてジョンを車から放り出すことに成功したジム、そのまま走り去る。
何とか危機を回避したジムだったが、そこからが本当の恐怖の始まりであった。
その後、自分の車を追い越していく家族連れの車の後部座席にてその一家の子供と一緒にこちらに手を振るジョンを見てしまったジム。
慌てて後を追い並走して危険を呼びかけるが、なにぶん高速走行中にて相手にうまく通じない。
その後、先に行ってしまった家族連れの車が道路脇に停車しているのを発見。
車を停めて中を覗き込んでみると家族は皆殺しにされていた。
この後、何とジムが家族殺しの容疑をかけられ警察から追われる身となってしまう。
(完全な冤罪ですが)
もうこの後はすさまじいです。
ジムを指名手配犯として追ってきた保安官達はあらかたジョン・ライダーに殺されます。(ハウアー!)
そして警官殺しの罪までジムに容疑がかかるしまつ。(ハウアー!!)
ジムの話を聞いて協力してくれたウエイトレスの女の子もジョンの手にかかり殺されてしまいます。(ハウアー!!!)
ジムは一度、保安官達に捕まり留置所に入るのですが、そこの留置所の職員もジョンにより皆殺しの憂き目にあい、ジムが職員を殺害し逃走したという状況を作り出してしまうのでした。(はうあー!!!!)
(4はうあー頂きました)
‥‥そして最後のクライマックス!!
大量殺人の犯人として指名手配されてしまったジム。
(何度も言いますが冤罪です、エ・ン・ザ・イ!!)
ついに警察はヘリコプターまでも投入してくる事態に‥‥
この方はこの手にお持ちの銃を使用しヘリまでも撃ち落としになられます。
もうここまでくるとむしろ爽快!怖いというよりスゴ過ぎて笑ってしまいました。
最後はジムに自らを始末させたような終わり方でしたが、殺人鬼・ジョン・ライダーの狂気っぷりが本当にすばらしくハウアー以外には考えられない配役だったと思います。
後にリメイクされたそうですがそちらは見てません‥‥
そして晩年のルトガー・ハウアー氏
う~~ん、やはりシブい!カッコいい!!
いい年の取り方をしておられますよね。
名優であり、怪優でもあり、何よりも敵役をやらせたらこの人の代わりになるような人は考えられない‥‥そんな唯一無二の存在感のステキな俳優さんでした。
長い間、世界を楽しませてくれて本当にありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。